参照:https://ipipublishing.org/index.php/emjsr/article/view/14
リウマチは、関節の炎症と痛みを引き起こす慢性的な自己免疫疾患であり、その治療は関節機能の維持、鎮痛、免疫抑制を目指しています。
しかし、一部の患者では治療薬に対する反応が乏しいため、新たな治療法の探求が必要とされています。
ここで注目されているのが、CBD(カンナビジオール)です。CBDはその抗炎症特性から、炎症性疾患に対する潜在的な治療法として研究されていますが、リウマチに関する研究は限定的で矛盾しています。
そこで、この研究ではリウマチ患者におけるCBDの抗炎症反応の効果を決定することを目指しています。
この研究では、62,627件の研究から適切なものを選び出し、その中から4つの研究を詳細に分析しました。
その結果、CBDがリウマチ患者の炎症反応に対して一定の効果を示すことが確認されました。
1つ目の研究では、CBDとTHCを含む薬品Sativexがリウマチによる痛みの治療に効果的であることが示されました。Sativex®を使用した患者は、運動時の痛み、睡眠の質、休息時の痛みが改善されました。
※Sativexは日本での販売はされていません。
参照:https://www.dreamnews.jp/press/0000190334/
2つ目の研究では、ラットを用いてCBDの抗炎症効果と鎮痛効果が検証されました。
CBDを皮膚から投与したところ、関節炎の症状が改善され、痛み関連の行動も減少しました。
3つ目の研究では、CBDとモリンギンの組み合わせがマクロファージ(免疫系の細胞)の炎症反応に対して抗酸化作用と抗炎症作用を示すことが確認されました。
最後の研究では、CBDがマウスのリウマチモデルにおいて抗炎症効果を示すことが確認されました。
特に、CBDの投与により炎症マーカーであるTNF-αのレベルが低下しました。
「CBDの投与によりTNF-αのレベルが低下した」という結果は、CBDが炎症反応を抑制する可能性を示しています。
つまり、CBDがTNF-αのレベルを下げることで、炎症反応を抑え、炎症による症状を軽減する可能性があるということです。
ただし、この結果は一部の研究で得られたものであり、全ての人や全ての状況で同じ結果が得られるとは限りません。
これらの研究結果から、CBDがリウマチ患者の炎症反応に対して一定の効果を示す可能性があることが示唆されました。
しかし、これらの結果は初期のものであり、さらなる研究が必要です。
特に、人間に対するランダム化比較試験が必要とされています。これにより、CBDがリウマチの治療における有効な選択肢となる可能性があります。
今後の研究により、CBDのメカニズムの理解が深まり、リウマチによる炎症の軽減に対する新たな治療法の開発が期待されます。
日本では、これらの薬品Sativex等は禁止されていますが、世界で見ると、常にその効果は実証されつつあります。
今後も、日本国内や海外の情報をまとめていきます。